3都市、そもそも何が違う?
よく言われるたとえで、こんな整理があります。「動きたい旅ならホーチミン、静かに深く味わう旅ならハノイ、余白のある時間を過ごす旅ならダナン」。実際に感覚としてもかなり近いです。
- ホーチミン:南部の経済都市。高層ビルとバイクの洪水が同居する、エネルギッシュな大都市
- ハノイ:北部の首都。旧市街の古い街並みが色濃く残り、歴史と文化を味わう古都
- ダナン:中部のビーチリゾート都市。観光地としての完成度が高く、ホテル滞在中心でも十分楽しめる
同じベトナムでも、旅の質はまったく違います。「ベトナムらしい活気」を求めるならホーチミン、「歴史や文化をじっくり」ならハノイ。でも、海外旅行の不安をできるだけ減らしたい人や、ゆったり過ごしたい人には、ダナンが向いているというのが色々な現地情報でも共通して言われていることです。
ダナンは、ベトナムで何番目に旅行者が多い?
ベトナム国家観光局のまとめを伝えた記事によると、2025年に外国人旅行者がいちばん多かったのはホーチミン市で約850万人、次がハノイで約780万人でした。ダナンは760万人を超えていて、その次に並びます。
| 都市・省 | 外国人旅行者(2025年) | 旅行者の総数(2025年) |
|---|---|---|
| ホーチミン市 | 約850万人 | 5,350万人超 |
| ハノイ | 約780万人 | 3,370万人 |
| ダナン | 760万人超 | 1,730万人超(宿泊客の数) |
| カインホア省(ニャチャン) | 550万人 | 1,640万人 |
外国人の数では、数字が出ている主な観光地の中で3番目です。ただし、全国の省・市を外国人の数で並べた公式の順位表は見つけられませんでした。なので、ここでは「数字が確かめられた中で3番目」としておきます。
国内の旅行者も合わせた総数で見ると、ダナンは上位10の省・市の9番目でした。上には、ホーチミン、ハノイ、フーコック島のあるアンザン省などが並びます。外国人は多いのに、総数では9番目。旅行者に占める外国人の割合が大きい街だということが分かります。ざっくり計算すると、ダナンは旅行者の4割ほどが外国人です。ホーチミンは2割に届きません(ダナンは宿泊客の数なので、数え方が少し違う点は割り引いて見てください)。
勢いも続いています。2026年1〜9月にダナンの宿に泊まった客は約1,586万人で、そのうち外国人は約773万人でした。前の年の同じ時期より28.7%の増加です。9か月で、2025年1年分の外国人の数をもう超えています。旅行予約サイトAgodaのデータでは、2025年上半期に海外の旅行者がベトナムで選んだ行き先の1位がダナンでした。世界的な人気ぶりは「2026年に行くべき場所」の記事にまとめています。
ダナンが「リゾート」である理由
ダナン最大の強みは、ビーチと街が一体化していることです。ミーケービーチ沿いには高層のリゾートホテルが立ち並び、部屋の窓を開ければすぐ海、という滞在ができます。ハノイには海がなく、ホーチミン市は2025年にバリア・ブンタウ省と合併して海辺のブンタウやカンゾーも市域に入りましたが、いずれも中心部から離れています。中心街のすぐ隣にビーチがある「ビーチリゾート」としての滞在は、ダナンならではです。バリ島やホーチミンと数字で比べた話は、比較の記事にまとめています。
さらに、乾季(2月〜8月)は天気が非常に安定していて、日々の天候の変化が少ないのも特徴です。「今日は雨かもしれない」と天気に振り回されずに予定を組めるのは、旅行として大きな安心材料になります。
街がコンパクトで、移動に疲れない
ホーチミンやハノイは、市内だけでも移動に時間がかかることが多い大都市です。一方ダナンは、ドラゴン橋・ミーケービーチ・ハン市場といった主要スポットが、車で15〜20分圏内に収まっています。少し足を延ばしても、マーブルマウンテンやバーナーヒルズ、ホイアンまで日帰りできる距離感です。
「大きな移動をしたくない」「1つの街に絞って、じっくり楽しみたい」というタイプの旅行者には、このコンパクトさが決め手になると思います。1つの街に絞って過ごしたいなら、ダナンが一番向いていると感じます。
3都市を数字で比べる
雰囲気の話だけでなく、旅行者に関係する数字を並べてみます。
| 項目 | ダナン | ハノイ | ホーチミン |
|---|---|---|---|
| 成田からの直行便 | 約5時間40分 | 約5時間30分 | 約5時間55分 |
| 空港から中心部 | 約3km・車で10〜15分 | 約27〜30km・45分〜1時間 | 約6km・15〜30分 |
| 街なかのビーチ | あり(ミーケービーチ) | なし(海がない) | 旧市内にはなし |
| 生活費の指数(ハノイ=100) | 97.89 | 100 | 97.96 |
| 外国人旅行者(2025年) | 760万人超 | 約780万人 | 約850万人 |
飛行時間は、3都市ともほとんど変わりません。差が大きいのは着いてからの距離です。ダナンは空港から中心部まで約3kmで、夜に着いてもホテルまですぐです。ハノイの空港は中心部から30km近く離れていて、移動に1時間ほど見ておく必要があります。生活費の指数は、ベトナム国家統計局が出している省・市ごとの値で、3都市はほぼ同じ水準でした。
物価は、ほぼ同じ。でもホテルは選びやすい
日本語の旅行サイトでは、ダナンの物価はホーチミン・ハノイよりやや安いと紹介されることが多いです。ただ、国の統計の生活費の指数では、上の表のとおり3都市はほぼ同じでした。食事や買い物の値段で大きな差を期待するより、ホテルの選び方で差が出ると考えたほうが実態に近いと思います。ホテル記事でも書いていますが、オーシャンビューのホテルが1泊1万円前後から狙えるのは、ダナンならではの強みだと思います。
それでもホーチミン・ハノイが向いている人
公平のために書いておくと、ダナンが万人向けというわけではありません。
- カフェ巡り・ショッピング・都会のエネルギーを求めるなら、ホーチミンの方が満足度は高いはずです
- 歴史的建造物や旧市街の雰囲気をじっくり味わいたいなら、ハノイの方が向いています
- すでにベトナム旅行の経験があり、違った顔を見たい人にとっては、ダナンはやや物足りなく感じる可能性もあります
それでも、「初めてのベトナム」「安心して過ごしたい」「リゾート気分を味わいたい」のどれかに当てはまるなら、ダナンを選んで後悔することはないと思います。
芸人やYouTuberの旅動画でも人気に
最近のダナン人気には、旅動画の影響もありそうです。お笑いコンビ・おぎやはぎのYouTubeチャンネル「おぎやはぎトラベル」は、新シーズンの舞台にダナンを選び、「【ベトナム旅行①】ダナン編スタート!!早速バタバタで…」という動画を公開しています(2026年9月時点で再生回数51万回超)。ダイアン・ユースケさんの「ユースケ専門チャンネル」でも「【ベトナム・ダナン】ダイアン・ユースケの夏休み」が公開されていて、2026年9月時点で再生回数は23万回を超えていました。
個人のトラベル系YouTuberの動画も多く、空港到着から市内散策、ローカルな麺料理の店まで、それぞれの視点でダナンが紹介されています。同じ場所でも、人によって切り取り方が違うのが旅行動画の面白いところです。
よくある質問
ダナンはベトナムで何番目に旅行者が多いですか?
2025年の外国人旅行者は、ホーチミン市(約850万人)、ハノイ(約780万人)に次いでダナンが760万人超でした(ベトナム国家観光局のまとめを伝えた報道)。国内客を含めた総数では、上位10の省・市のうち9番目です。
ダナンとホーチミン、ハノイの一番の違いは何ですか?
ホーチミンは活気ある大都市、ハノイは歴史と文化を味わう古都という性格が強いのに対し、ダナンはビーチリゾートとして完結できるのが最大の違いです。街がコンパクトで移動が少なく、初めての海外旅行でも安心感を持ちやすいという声が多くあります。
初めてのベトナム旅行はダナンがおすすめですか?
海外旅行にあまり慣れていない人や、ホテル滞在を中心にゆったり過ごしたい人には、ダナンが向いていると言われています。観光客向けの整備が進んでいるため安心感を持ちやすく、ホーチミンやハノイに比べて治安面でも落ち着いているとされています。
ダナンの物価はホーチミンやハノイと比べて安いですか?
ベトナム国家統計局の生活費の指数(ハノイ=100)では、ダナン97.89、ホーチミン97.96で、3都市はほぼ同じ水準です。食事や買い物の値段より、ホテルの選び方で差が出やすいです。