コラム

ダナンは「東南アジアのハワイ」になるのか。
4回通って感じた伸びしろ

最終更新:2026年10月22日 · 現地データと個人の実感をもとにしたコラム · 約5分で読めます

※2026年10月時点の情報です。価格・営業時間などは変更されている場合があります。

夕暮れのドラゴン橋 夕暮れのドラゴン橋

4回ダナンに通っていて、行くたびに「また変わったな」と感じます。個人的な感覚を言葉にするなら、ダナンは「東南アジアのハワイ」になりつつある街だと思っています。今日はその実感を、実際のデータと照らし合わせてみます。

横浜と湘南が同じ場所にある街

ダナンを説明するとき、自分はいつも「横浜と湘南が同じ場所にあるような街」と言っています。ハン川沿いには近代的な高層ビルやおしゃれなカフェが並び、都会的な雰囲気がある一方で、車で15分も走ればミーケービーチのような開放的な海が広がっている。都市の利便性とリゾートの解放感が、同じ街の中に共存しているのがダナンの一番の特徴だと感じています。

データで見るダナンの伸びしろ

感覚だけでなく、実際の数字で見てもダナンの成長路線は明確です。

3,000万人 2030年の年間観光客目標
11%以上 2026〜2030年の年平均GRDP成長率目標
8,500ドル 2030年時点の1人当たりGDP見込み
14〜15% 開発投資額の年平均増加率目標

ダナン市は2026年から2030年の計画で年平均11%以上のGRDP成長率を目標に掲げており、 2030年に1人当たりGRDPを約8,500ドル(以前の計画では8,000〜8,500ドル)に引き上げることを目指しています。観光面でも2030年に年間観光客3000万人を目指し、観光・物流・金融が一体となった都市への転換を掲げています。

世界的ホテルチェーンの参入ラッシュ

この数年、ダナンの海沿いには見慣れないロゴのホテルが増えました。実際にマリオットやアコー、インターコンチネンタルホテルズグループといった世界的なチェーンの参入が相次いでいます。これは「そこに投資する価値がある」と、世界のホテル業界が判断しているということでもあります。

実体験から:初めて行った回と比べて、直近の渡航では海沿いの建設中エリアが明らかに増えていました。数年単位で街の輪郭そのものが変わっていく感覚は、他の観光地ではあまり味わったことがありません。

日本とダナンの関係

ダナンの成長に、実は日本企業が深く関わっています。ダナン駐日代表部の紹介によると、ダナン市には90を超える日系企業・駐在員事務所が進出しており、投資総額は市の外資総額の約30%を占めるとされています。フォスター電機、マブチモーター、住友、丸紅といった企業が現地に根を下ろし、数万人の雇用を生み出してきたと紹介されています。

都市間の交流も進んでいて、堺市は2019年にダナン市と友好都市提携を結んでいます。観光客誘致や人材交流の覚書を結ぶ日本の自治体も増えており、「知る人ぞ知る街」から「公式に手を組む相手」へと関係が変わりつつあるのが今のダナンです。

新しいダナン市には、野生の象がすむ森もある

2025年にクアンナム省がダナン市に統合され、ダナン市はホイアンや山岳地帯まで含む広い市になりました。その変化を感じたのが、2026年9月の報道です。ダナン特用林管理委員会によると、旧クアンナム省ノンソン県に2017年に設けられた象の保護区で、移動ルートとみられる15地点に設置した30台のカメラトラップに、子象2頭を含む9頭の群れが映っていました。子象の年齢は、報道によって「推定5歳と2歳」「1歳前後」と違います。

アジアゾウはIUCNのレッドリストで絶滅危惧種に指定されていて、ベトナム全土でも野生の象は200頭に満たないとされます。なお、この保護区は一般の観光客が立ち入れる場所ではありません。ビーチリゾートのイメージが強いダナンに、野生の象が自然繁殖できる山林もある。4回通っても、まだ知らないダナンがあると実感したニュースでした。

ピックルボールの国際大会を成功させたダナン

2026年8月30日から9月6日にかけて、ダナンで「Heineken Pickleball World Cup 2026」が開催されました。 65の国と地域から5,000人以上の選手が参加した、アジア初開催の国際大会です(開幕前の登録段階では約80の国と地域とされていました)。決勝ではアメリカ代表が優勝、地元ベトナム代表も準優勝という好成績を収め、大会期間中は観客エリアが無料開放されるなど、街全体を巻き込んだイベントになりました。詳しくはピックルボール人気についての記事にまとめています。

ピックルボール自体、世界的に急成長しているラケットスポーツです。この規模の国際大会をアジアで最初に開催する都市に選ばれたこと自体が、ダナンが単なる観光地ではなく国際イベントを誘致できる都市へと変わってきている証拠だと感じています。大会期間中に訪れれば、いつもと違う熱気のダナンに出会えるはずです。

ただし、伸びの裏にある課題も

一方で、触れておきたい懸念もあります。ダナンでは2019年の時点で、1〜3つ星クラスを中心にホテルが急増して供給過剰になっていると現地メディアが報じていました。客室が増え続ける中で、ホテルには差別化が求められる状況です。国際チェーンの参入が相次ぐということは、それだけ競争が激しくなるということでもあります。「勢いがあるから安心」ではなく、「勢いがあるからこそ、今の姿がずっと続くとは限らない」という見方も持っておいた方がいいと感じています。

今、行っておく意味

ハワイも、今のような世界的リゾートになる前は、開発途上の一地域でした。ダナンが同じ道をたどるかは誰にも分かりませんが、少なくとも今のダナンは、都会とビーチが同居する独特のバランスを保ったまま、急速に成長している真っ最中の街です。この「変わっていく途中」の空気を体感できるのは、今だからこその面白さだと思っています。旅行ではなく、働きながら長めに滞在する人の目線ではワーケーションの記事にまとめています。

よくある質問

ダナンは今後も発展しますか?

ダナン市は2030年に年間観光客3000万人、年平均11%以上のGRDP成長率を目標に掲げており、マリオットやアコーなど世界的ホテルチェーンの参入も相次いでいます。一方で、ホテルの急増による供給過剰は2019年ごろから現地で指摘されており、成長が今のまま続くとは限らない点も踏まえておく必要があります。

ダナンで大きな国際大会は開催されていますか?

はい。2026年8月30日から9月6日にかけて、65の国と地域から5,000人以上の選手が参加した「Heineken Pickleball World Cup 2026」がダナンで開催されました。アジア初開催の国際大会で、都市としての国際的な存在感の高まりを示す出来事でした。

初めてのダナン旅行を考えているなら、まずはこちらの記事から。

初めてのダナン旅行ガイドを読む

参考にした情報

  1. Vietnam.vn「海洋経済の発展 ― ダナンにとっての機会と課題」 — 2030年までの沿岸地域GRDP成長率目標(年11%以上)
  2. Vietnam.vn「Da Nang faces golden opportunity for double-digit growth」 — 2026〜2030年のGRDP成長率・1人当たりGDP目標
  3. B-Company「ダナン入門:外国人投資家向けマーケットガイド」 — 2030年の1人当たりGRDP目標(8,000〜8,500ドル、2025年時点の計画)
  4. VietNamNet「Da Nang is in hotel oversupply crisis」 — 1〜3つ星ホテルの急増による供給過剰に関する現地報道(2019年7月)
  5. 堺市「海外友好都市 ダナン市」 — 日本とダナン市の友好都市提携(提携日2019年2月23日、2026年10月10日確認)
  6. ダナン駐日代表部公式サイト「ダナンへの投資・進出」 — 日系企業の進出状況
  7. Vietnam.vn「2026年ハイネケン・ピックルボール・ワールドカップ」 — 開催概要(2026年8月30日〜9月6日)
  8. Tuoi Tre News「Pickleball World Cup opens in Da Nang, features over 5,000 athletes from 65 countries, territories」 — 参加65の国と地域、5,000人超(2026年10月10日確認)
  9. VnExpress「Phát hiện đàn voi 9 con tại rừng đặc dụng Đà Nẵng qua bẫy ảnh」(2026年9月14日) — 象の群れの確認、保護区の設立
  10. VTC News「Cận cảnh đàn voi 9 con xuất hiện trong rừng đặc dụng ở Đà Nẵng」(2026年9月14日) — カメラトラップの設置、子象の推定年齢
  11. Wikipedia「アジアゾウ」 — 絶滅危惧種の指定

数値は執筆時点で確認できた公開情報にもとづく目標値・見通しであり、実績値ではありません。