コラム

ダナンは「東南アジアのハワイ」になるのか。
5回通って感じた伸びしろ

最終更新:2026年9月 · 現地データと個人の実感をもとにしたコラム · 約3分で読めます

夕暮れのドラゴン橋 夕暮れのドラゴン橋

5回ダナンに通っていて、行くたびに「また変わったな」と感じます。個人的な感覚を言葉にするなら、 ダナンは「東南アジアのハワイ」になりつつある街だと思っています。今日はその実感を、実際のデータと照らし合わせてみます。

横浜と湘南が同じ場所にある街

ダナンを説明するとき、自分はいつも「横浜と湘南が同じ場所にあるような街」と言っています。 ハン川沿いには近代的な高層ビルやおしゃれなカフェが並び、都会的な雰囲気がある一方で、 車で15分も走ればミーケービーチのような開放的な海が広がっている。都市の利便性とリゾートの解放感が、 同じ街の中に共存しているのがダナンの一番の特徴だと感じています。

「都会」と「リゾート」を、移動時間ほぼゼロで行き来できる街は、東南アジアでも実はそう多くない。

データで見るダナンの伸びしろ

感覚だけでなく、実際の数字で見てもダナンの成長路線は明確です。

3,000万人 2030年の年間観光客目標
11%以上 2026〜2030年の年平均GRDP成長率目標
8,500ドル 2030年時点の1人当たりGDP見込み
14〜15% 開発投資額の年平均増加率

ダナン市は2026年から2030年の計画で年平均11%以上のGRDP成長率を目標に掲げており、 2030年までにGRDPが72兆ドンを超え、1人当たりGDPは8,500ドルに達すると見込まれています。 観光面でも2030年に年間観光客3000万人を目指し、観光・物流・金融が一体となった都市への転換を掲げています。

世界的ホテルチェーンの参入ラッシュ

この数年、ダナンの海沿いには見慣れないロゴのホテルが増えました。実際にマリオットやアコー、インターコンチネンタルホテルズグループといった世界的なチェーンの参入が相次いでいます。 これは「そこに投資する価値がある」と、世界のホテル業界が判断しているということでもあります。

実体験から:初めて行った回と比べて、直近の渡航では海沿いの建設中エリアが明らかに増えていました。 数年単位で街の輪郭そのものが変わっていく感覚は、他の観光地ではあまり味わったことがありません。

日本とダナンの関係

ダナンの成長に、実は日本企業が深く関わっています。 ダナン市には90を超える日系企業・駐在員事務所が進出しており、投資総額は市の外資総額の約30%を占めています。 フォスター電機、マブチモーター、住友、丸紅といった企業が現地に根を下ろし、数万人の雇用を生み出してきました。

都市間の交流も進んでいて、堺市は2019年にダナン市と友好都市提携を結んでいます。 観光客誘致や人材交流の覚書を結ぶ日本の自治体も増えており、 「知る人ぞ知る街」から「公式に手を組む相手」へと関係が変わりつつあるのが今のダナンです。

今、ダナンでピックルボールが熱い

これは執筆時点でのタイムリーな話題です。2026年8月30日から9月6日、ダナンでピックルボールのワールドカップが開催されます。 81の国と地域から5,000人以上の選手が参加する、アジア初開催の国際大会です。 ダナン市ピックルボール連盟が中心となり、市内各所のコートを使って開催されます。

ピックルボール自体、世界的に急成長しているラケットスポーツです。 この規模の国際大会をアジアで最初に開催する都市に選ばれたこと自体が、 ダナンが単なる観光地ではなく国際イベントを誘致できる都市へと変わってきている証拠だと感じています。 大会期間中に訪れれば、いつもと違う熱気のダナンに出会えるはずです。

ただし、伸びの裏にある課題も

一方で、正直に触れておきたい懸念もあります。ダナンの5つ星ホテル市場では供給過剰の兆しが出始めており、差別化戦略が求められる状況になっています。 国際チェーンの参入が相次ぐということは、それだけ競争が激しくなるということでもあります。 「勢いがあるから安心」ではなく、「勢いがあるからこそ、今の姿がずっと続くとは限らない」という見方も持っておいた方がいいと感じています。

今、行っておく意味

ハワイも、今のような世界的リゾートになる前は、開発途上の一地域でした。ダナンが同じ道をたどるかは誰にも分かりませんが、 少なくとも今のダナンは、都会とビーチが同居する独特のバランスを保ったまま、急速に成長している真っ最中の街です。 この「変わっていく途中」の空気を体感できるのは、今だからこその面白さだと思っています。

初めてのダナン旅行を考えているなら、まずはこちらの記事から。

初めてのダナン旅行ガイドを読む

参考にした情報

  1. Vietnam.vn「海洋経済の発展 ― ダナンにとっての機会と課題」 — 2030年までの沿岸地域GRDP成長率目標(年11%以上)
  2. Vietnam.vn「Da Nang faces golden opportunity for double-digit growth」 — 2026〜2030年のGRDP成長率・1人当たりGDP目標
  3. B-Company「ダナン入門:外国人投資家向けマーケットガイド」 — 2030年のGRDP成長率・1人当たりGDPの目標値
  4. VietNamNet「Da Nang is in hotel oversupply crisis」 — ホテル供給過剰に関する現地報道
  5. 堺市「海外友好都市 ダナン市」 — 日本とダナン市の友好都市提携
  6. ダナン駐日代表部公式サイト「ダナンへの投資・進出」 — 日系企業の進出状況
  7. Vietnam.vn「2026年ハイネケン・ピックルボール・ワールドカップ」 — 開催概要(2026年8月30日〜9月6日、81の国と地域から5,000人以上参加)

数値は執筆時点で確認できた公開情報にもとづく目標値・見通しであり、実績値ではありません。